昨日の講演会が終わってホッとしたのもつかの間、今日の夜は定例の乳腺術後症例検討会でした。
今日はまず最初にいつも参加して下さっているM社のUさんが、スライドを使って”吸引組織生検”についてのお話をして下さいました。これは前回の症例検討会で関連施設の技師さんが、この生検装置を見たことがないということを話していたため準備して下さったようです。少しはイメージができたのではないでしょうか。終了後には何人かの技師さんたちが乳房の模型を使いながらこの装置を実際に触らせてもらっていました。
本日の症例は4例。1例目は、超音波検査では区域性の乳管拡張集合像のように見え、非浸潤がんを疑いましたが、2度の針生検で乳腺症と診断された症例でした。2例目は関係ない症状で受診し、検査にて小さな乳頭腺管がんと診断された症例、3例目はマンモグラフィと超音波検査を1年おきに受けていた方で超音波検査で小さな硬がんと診断された症例、そして4例目が円形に近い形状で後方エコーも減弱していない硬がんの症例でした。
今回の症例検討会は、今の形式になってから90回目でした。来年の秋には節目の100回を迎えます。この時にはなんらかのイベントを企画したいと思っています。
乳癌が心配だけど、どこに受診したらいいかわからない、乳癌になってしまって不安…、再発したからもうだめかもしれない…。そんな不安や悩みに少しでもお役に立てればと思って始めてみました。 (*投稿内容と無関係なコメント、病状のご相談はご遠慮願います*)
2015年10月28日水曜日
薬剤師向けの講演会
昨日、KK社主催の薬剤師向けの講演会に行ってきました。
この講演会の講演を頼まれたのはけっこう前ですが、この秋の連続ストレスイベントの中でも最大のストレスでしたので、ずっと気分が重かったです。
何がストレスかと言うと、
①薬剤師対象に話したことはない
②話の内容が”乳がんの化学療法について”なので全然面白くない
③そもそも人前で話すのが苦手
だからです。
しかも最近風邪が長引いていて喉の調子がずっと悪く、引越準備で寝不足が続き、北斗さん効果で外来や検診も忙しくて全然余裕がありませんでした。それでもけっこう時間をかけて50枚ほどのスライドを作り、本番に臨みました。当日は30-40名ほどが参加して下さいました。できるだけ写真や図表を入れてわかりやすくお話ししたつもりでしたが、特に質問も出ませんでしたので彼らにとって少しでも役に立てたのかどうかはわかりません(汗)。
とりあえず無事終了しましたのでほと安心です。自宅に帰ってから持ち帰った弁当をいただき、翌朝出す予定の大型ゴミを3つ2階から1階に降ろして寝たのは0時過ぎでした(汗)。なかなか体調を整える時間がありません(泣)。
この講演会の講演を頼まれたのはけっこう前ですが、この秋の連続ストレスイベントの中でも最大のストレスでしたので、ずっと気分が重かったです。
何がストレスかと言うと、
①薬剤師対象に話したことはない
②話の内容が”乳がんの化学療法について”なので全然面白くない
③そもそも人前で話すのが苦手
だからです。
しかも最近風邪が長引いていて喉の調子がずっと悪く、引越準備で寝不足が続き、北斗さん効果で外来や検診も忙しくて全然余裕がありませんでした。それでもけっこう時間をかけて50枚ほどのスライドを作り、本番に臨みました。当日は30-40名ほどが参加して下さいました。できるだけ写真や図表を入れてわかりやすくお話ししたつもりでしたが、特に質問も出ませんでしたので彼らにとって少しでも役に立てたのかどうかはわかりません(汗)。
とりあえず無事終了しましたのでほと安心です。自宅に帰ってから持ち帰った弁当をいただき、翌朝出す予定の大型ゴミを3つ2階から1階に降ろして寝たのは0時過ぎでした(汗)。なかなか体調を整える時間がありません(泣)。
2015年10月13日火曜日
今度の日曜は、”J.M.S"!
今年ももういつの間にか10月…。10月はピンクリボン月間です。
毎年10月の第3日曜日に行なわれている”ジャパン・マンモグラフィ・サンデー(J.M.S)”ですが、今年も10/18に行なわれます。私たちの病院も関連病院とともに賛同施設となっていますので日曜日の検診を行ないます。このイベントは全国で行なわれます。賛同施設はJ.POSHのHP(http://jms-pinkribbon.com/)で調べることができます。
今回も私は関連病院の検診担当です。G先生が本院担当で、N先生はいつも釧路の検診に行っていたのですが今年は体調を考慮して他の女性外科医に依頼しました。
それにしても最近、検診受診者数の増加がすごいです。どんどん検診受け入れ枠数を増やして対応していますが、追いつくのがやっとです。せっかく決意した検診をスムーズに受けられるように迅速な対応をしていきたいと思っています。
昨日から風邪が悪化し、咳、痰、鼻水、咽頭痛、頭痛、発熱など風邪の諸症状が満載の身体ですが、日曜までにはなんとか治して検診に望みたいと思います!
毎年10月の第3日曜日に行なわれている”ジャパン・マンモグラフィ・サンデー(J.M.S)”ですが、今年も10/18に行なわれます。私たちの病院も関連病院とともに賛同施設となっていますので日曜日の検診を行ないます。このイベントは全国で行なわれます。賛同施設はJ.POSHのHP(http://jms-pinkribbon.com/)で調べることができます。
今回も私は関連病院の検診担当です。G先生が本院担当で、N先生はいつも釧路の検診に行っていたのですが今年は体調を考慮して他の女性外科医に依頼しました。
それにしても最近、検診受診者数の増加がすごいです。どんどん検診受け入れ枠数を増やして対応していますが、追いつくのがやっとです。せっかく決意した検診をスムーズに受けられるように迅速な対応をしていきたいと思っています。
昨日から風邪が悪化し、咳、痰、鼻水、咽頭痛、頭痛、発熱など風邪の諸症状が満載の身体ですが、日曜までにはなんとか治して検診に望みたいと思います!
2015年10月9日金曜日
北斗晶さんの影響
北斗晶さんの乳がん罹患のニュースが流れてから、乳腺外来の受診者数は急増しているようです。
私たちの病院にも、
「前から痛みがあったけど、北斗さんは痛みがあったと言っていたので心配なので見て下さい」
「2年前の検診で脂肪腫があるけど心配ないって言われたけど、北斗さんのニュースを見て心配になったので受診しました」
「次回1年後で本当にいいのですか?北斗さんは毎年受けていたのにリンパ節に転移があったって言ってましたけど…」
「私はⅡB期なんですよね?私がリンパ節に転移があったことを知っている何人もの友達が、ニュースで5年生存率50%って言っていたからものすごく心配して連絡をくれるのでまた不安になってしまいました」
などとおっしゃる患者さんが多数いらっしゃいます。芸能人の発言、マスコミの報道の影響は本当に大きいですね…。検診の受診者も受け入れ枠を増やさなければ対応できないような状態です。
いろいろ問題もありますが、そのおかげで、ニュースを見て触ってみたらしこりがあったと受診した患者さん2人が乳がんとわかりました。少しでも早い受診につながったのは良かったと思います。
私たちの病院にも、
「前から痛みがあったけど、北斗さんは痛みがあったと言っていたので心配なので見て下さい」
「2年前の検診で脂肪腫があるけど心配ないって言われたけど、北斗さんのニュースを見て心配になったので受診しました」
「次回1年後で本当にいいのですか?北斗さんは毎年受けていたのにリンパ節に転移があったって言ってましたけど…」
「私はⅡB期なんですよね?私がリンパ節に転移があったことを知っている何人もの友達が、ニュースで5年生存率50%って言っていたからものすごく心配して連絡をくれるのでまた不安になってしまいました」
などとおっしゃる患者さんが多数いらっしゃいます。芸能人の発言、マスコミの報道の影響は本当に大きいですね…。検診の受診者も受け入れ枠を増やさなければ対応できないような状態です。
いろいろ問題もありますが、そのおかげで、ニュースを見て触ってみたらしこりがあったと受診した患者さん2人が乳がんとわかりました。少しでも早い受診につながったのは良かったと思います。
2015年10月4日日曜日
患者会温泉1泊旅行 2015 in 歌志内”チロルの湯”
昨日から1泊で患者会温泉旅行に行ってきました。今年は、歌志内の”チロルの湯”でした。
歌志内は私が医師3年目の時に(今から24年前)診療所の所長として1年間勤務した思い出の場所です。その当時チロルの湯の前身の温泉施設は所長住宅のすぐ山側のところにありましたが、けっこうぼろぼろで一度も行ったことがありませんでした。その後チロルの湯として改装され、道の駅も併設して生まれ変わったことを聞いていましたのでずっと行ってみたいと思っていた温泉でした。
今回は、患者さん16人、付き添いのご家族1人、職員8人(医師3人、看護師3人、事務2人)の計25人が参加しました。バスに揺られてホテルに着いてからはまず道の駅にみんなで行ってきました。山あいのこの街は、炭坑が閉鎖してから過疎が進み、正直言って目立った産業はあまりありません。特産物は、”なんこ”という馬の腸を使った食材や山菜、そして漬け物くらいですが漬け物はいろいろ種類があって美味しかったです。みんなお土産に買っていました。
その後温泉に浸かって(肌がツルツルになりました!)、夕方からは宴会場で一次会が始まりました。
今回N先生はご懐妊中のため、残念ながら参加は見合わせとなりました(泣)。そのかわりと言ってはなんですが、初めて研修医のTN先生(乳腺センターに所属予定)が参加してくれ、何度も歌を歌って踊って盛り上げてくれました(写真向かって左がTN先生、右は事務のKさん)。G先生もいつも通り歌いまくり、あっという間に2時間たってしまいました。
そのあとはいつも通り部屋で二次会!飲んでしゃべって、ゲーム大会で盛り上がりました(写真)。
途中からはラグビー日本代表を応援して、寝たのは1時くらいでした(汗)結局みんな朝寝坊してしまい、朝風呂に入る時間はなく、ご飯を食べて、男5人で部屋でカードゲームをしてから帰路につきました。
ちょっと疲れましたが、料理もおいしかったですし楽しい2日間でした!
歌志内は私が医師3年目の時に(今から24年前)診療所の所長として1年間勤務した思い出の場所です。その当時チロルの湯の前身の温泉施設は所長住宅のすぐ山側のところにありましたが、けっこうぼろぼろで一度も行ったことがありませんでした。その後チロルの湯として改装され、道の駅も併設して生まれ変わったことを聞いていましたのでずっと行ってみたいと思っていた温泉でした。
今回は、患者さん16人、付き添いのご家族1人、職員8人(医師3人、看護師3人、事務2人)の計25人が参加しました。バスに揺られてホテルに着いてからはまず道の駅にみんなで行ってきました。山あいのこの街は、炭坑が閉鎖してから過疎が進み、正直言って目立った産業はあまりありません。特産物は、”なんこ”という馬の腸を使った食材や山菜、そして漬け物くらいですが漬け物はいろいろ種類があって美味しかったです。みんなお土産に買っていました。
その後温泉に浸かって(肌がツルツルになりました!)、夕方からは宴会場で一次会が始まりました。
今回N先生はご懐妊中のため、残念ながら参加は見合わせとなりました(泣)。そのかわりと言ってはなんですが、初めて研修医のTN先生(乳腺センターに所属予定)が参加してくれ、何度も歌を歌って踊って盛り上げてくれました(写真向かって左がTN先生、右は事務のKさん)。G先生もいつも通り歌いまくり、あっという間に2時間たってしまいました。
そのあとはいつも通り部屋で二次会!飲んでしゃべって、ゲーム大会で盛り上がりました(写真)。
途中からはラグビー日本代表を応援して、寝たのは1時くらいでした(汗)結局みんな朝寝坊してしまい、朝風呂に入る時間はなく、ご飯を食べて、男5人で部屋でカードゲームをしてから帰路につきました。
ちょっと疲れましたが、料理もおいしかったですし楽しい2日間でした!
2015年10月1日木曜日
乳腺術後症例検討会 42 ”マンモグラフィ撮影機の機種変更の影響”
いま札幌は強風が吹き荒れています。これからさらに悪化するのでしょうか…(汗)明日の朝が心配ですね。
昨日はいつもの症例検討会でした。参加人数はまずまず。まずは放射線技師によるマンモグラフィ撮影機の機種変更後の検討についての報告がありました。現在の機種になって2年たちますが、最初は機種の違いによるポジショニングの難しさがあったようです。今は読影の際に気になることはほとんどなくなっています。フィルムレスになってからは過去画像の比較も容易になり、私たちとしては非常に楽になりました。また、以前の機種では乳房の大きな方は1枚におさまりませんでしたが今の機種はおさまりますので被曝の軽減にもつながっています。今後は同じ機種を今年導入した関連病院の技師にノウハウを伝達することが重要だと思っています。
症例は3例。内部に脂肪を含むようにも見える多発腫瘤で発見された症例と皮膚のわずかな肥厚(よく見ると構築の乱れもありそう)で診断された広義の炎症性乳がんの症例、そして5年前の画像との比較で判断が難しかった局所性非対称性陰影で発見された症例で、後者の2例は無症状の検診発見乳がんでした。どれもちょっと油断すると見落としそうな症例でしたが、そのうち2例はリンパ節転移を伴っていました。
マンモグラフィのみで早期の乳がんを診断するのは時に非常に難しいことがあります。北斗晶さんのニュースが流れて以降、毎年、もしくは2年に1回の検診に対する不安を訴える方が増えています。毎年検診を受けていてもスピードの速いがんはその間に出てきますし、若くて乳腺濃度の高い方の場合はマンモグラフィのみの検診ではたとえ毎年撮ったとしても診断には限界があります。
現在、J-STARTという国内の臨床試験で、40才代の女性を対象にマンモグラフィに超音波検査を上乗せする有用性を検証中ですが、個人的には年齢だけではなく、乳腺濃度に合わせて超音波検査を併用すべきであると考えていますし、それは40才以上のみではなく、30才代(遺伝性素因のある方はもう少し早くから)にも適応した方が良いのではないかと感じています。ただ今のところそれを支持する臨床試験はありません。
おそらくどのような検診方法に変更しても、すべての乳がんを早期発見できるわけではないと思います。これは検査の限界、そして経済的な側面もあるからです。ただそれでもできるだけ多くの乳がんを早期に診断できるような検診方法が一日でも早く確立することを願っています。
昨日はいつもの症例検討会でした。参加人数はまずまず。まずは放射線技師によるマンモグラフィ撮影機の機種変更後の検討についての報告がありました。現在の機種になって2年たちますが、最初は機種の違いによるポジショニングの難しさがあったようです。今は読影の際に気になることはほとんどなくなっています。フィルムレスになってからは過去画像の比較も容易になり、私たちとしては非常に楽になりました。また、以前の機種では乳房の大きな方は1枚におさまりませんでしたが今の機種はおさまりますので被曝の軽減にもつながっています。今後は同じ機種を今年導入した関連病院の技師にノウハウを伝達することが重要だと思っています。
症例は3例。内部に脂肪を含むようにも見える多発腫瘤で発見された症例と皮膚のわずかな肥厚(よく見ると構築の乱れもありそう)で診断された広義の炎症性乳がんの症例、そして5年前の画像との比較で判断が難しかった局所性非対称性陰影で発見された症例で、後者の2例は無症状の検診発見乳がんでした。どれもちょっと油断すると見落としそうな症例でしたが、そのうち2例はリンパ節転移を伴っていました。
マンモグラフィのみで早期の乳がんを診断するのは時に非常に難しいことがあります。北斗晶さんのニュースが流れて以降、毎年、もしくは2年に1回の検診に対する不安を訴える方が増えています。毎年検診を受けていてもスピードの速いがんはその間に出てきますし、若くて乳腺濃度の高い方の場合はマンモグラフィのみの検診ではたとえ毎年撮ったとしても診断には限界があります。
現在、J-STARTという国内の臨床試験で、40才代の女性を対象にマンモグラフィに超音波検査を上乗せする有用性を検証中ですが、個人的には年齢だけではなく、乳腺濃度に合わせて超音波検査を併用すべきであると考えていますし、それは40才以上のみではなく、30才代(遺伝性素因のある方はもう少し早くから)にも適応した方が良いのではないかと感じています。ただ今のところそれを支持する臨床試験はありません。
おそらくどのような検診方法に変更しても、すべての乳がんを早期発見できるわけではないと思います。これは検査の限界、そして経済的な側面もあるからです。ただそれでもできるだけ多くの乳がんを早期に診断できるような検診方法が一日でも早く確立することを願っています。
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